オルソケラトロジー治療とは…?
就寝時に特殊なカーブをもつコンタクトレンズを装着することで、日中は裸眼で生活できる視力矯正方法です。 30~40%程度の近視進行抑制効果が注目されています。
- レンズ装着前
- 通常は光が角膜と水晶体の屈折力により、網膜上で焦点を結びますが、近視の状態である場合、網膜より手前で焦点を結ぶために像がぼやけて見えます。
- レンズ装着中
- 「ブレスオーコレクト」を就寝時に装用することにより、特殊な内面カーブが角膜前面の形状を変化させ、扁平化することにより焦点が網膜上で結ばれ、像がはっきり見えます。
- レンズ脱着後
- 「ブレスオーコレクト」によって扁平化された角膜前面は、レンズをはずしても一定時間形状が維持されるため、日中は裸眼視力が改善されます。
当クリニックではAxial Managerを用いて進行が抑制されているか確認しています。 また、今後の予測も同時に行うことができます。
治療サイクルと見えるようになるまで
治療開始初日から見えるようになりますが、朝から晩まで安定した視力が出るには、約1週間ほどかかると言われています。
- 装用時間は5時間以上を目安としています。治療には、一定の連続した就寝時間の確保が必要です。
- 視力が安定した後も、ハロー、グレア(にじみ、ぎらつきなど)等が出現することがあるため、車あるいはバイクの運転等では、十分に注意が必要となります。
オルソケラトロジー治療に向いている人向いていない人
- 向いている人
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- スポ―ツを行っている方
- メガネやコンタクトレンズの装用が煩わしい方
- 裸眼で過ごしたいが、外科的手術に抵抗がある方
- 眼疾患を有していない方
- 通院可能な方
- 近視度数が-1.00~-4.00Dの方
- 乱視度数が大きくない方※
- 乱視は球面度数の1/2以下、ただし倒乱視の場合、近視度数の1/2以下かつ、-0.75D以下の方
- 向いていない人
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- 眼科専門医の指示に従うことができない方
- 一定の睡眠時間が取れない方
- 近視度数、乱視度数が強い方
- 職業上、常に適正な視力が必要で視力の変化があった時に業務の中止ができない方
- レーザー角膜屈折矯正手術を受けた方
- 極度に神経質な方
- 重度のドライアイの方
- メリット
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- 若年層における近視の進行を抑制できるとした研究結果もあり、効果も期待される(注1)
- 注1) 参考文献
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- Si JK, Tang K, Bi HS, et al : Orthokeratology to myopia control : a meta-analysis. Optom Vis Sci,92 : 252-257, 2015.
- Sun Y, Xu F, Zhang T, et al : Orthokeratology to control myopia progression : a meta-analysis. PLoS One, 9 ; 10(4) : e0124535, 2015.
- Li SM, Kang MT, Wu SS, et al : Efficacy, Safety and Acceptability of Orthokeratology on Slowing Axial Elongation in Myopic Children by Meta-Analysis. Curr Eye Res, 3 : 1-9, 2015.
- 検査結果によっては、治療が受けられない可能性がありますので、予めご了承ください。
治療にかかる期間(主なスケジュール)
角膜の形状を扁平化させる為、治療開始後は定期的な通院が必要となります。
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初日<所要時間:1~2時間>
①治療の説明
②適正検査※1(治療が可能かどうか検査します。)
③治療可能な場合、体験装用を開始
④トライアルレンズがあれば当日から貸し出し※1 治療の開始に際し、角膜の状態を正確に測定する為、コンタクトレンズの利用を控えていただく必要があります。(目安としては、ソフトコンタクトレンズ2~3日ほど、ハードコンタクトレンズ約2週間ほど)
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1週間後<所要時間:60分>
①検査
②本番治療開始 -
1ヵ月後<所要時間:60分>
①検査
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3ヵ月後<所要時間:60分>
①検査
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3ヵ月後<所要時間:60分>
①検査
安全性にご利用いただくために
- 爪を短く切り、先を滑らかにする
→眼障害をおこしたり、レンズの破損、キズの原因になることがあります。 - レンズを扱う際は手を洗う
→レンズにキズ、汚れ、雑菌がつき、眼障害の原因となる可能性があります。 - 水道水で保存しない
→感染症の原因となる場合があります。専用の保存液をご利用ください。 - レンズ装用中は目を強くこすったり、押したりしない
→眼障害をおこしたり、レンズの破損、変形、キズの原因になることがあります。
治療費用に関して
オルソケラトロジー治療は公的医療保険が適用されませんので、「自由診療」となります。同日に保険診療による点眼処方はできません。
オルソケラトロジー治療費用について
1年毎交換した費用になります。
薬代を含みます。
※全て税込表示
- 初年度:両眼
- 218,820円
- (片眼109,410円)
- 2年目以降:両眼
- 157,320円
- 初期費用+月額費用(3か月分)トライアル開始時に100,910円
4ヶ月以降月額(クレジット)発生13,110円
詳細は担当医・スタッフまでお尋ねください。
- 交換保証
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- 処方交換
- 6ヶ月以内片眼1回無料
- 破損
- 6ヶ月以内片眼1回無料
- 紛失
- 全額患者様負担(片眼 36,300円)
医療費控除申請に関して
オルソケラトロジーの治療は、眼鏡やコンタクトレンズのような視力矯正ではなく、治療です。従って医療費控除申請の対象となります。(購入時の領収書は保管が必要になりますので、大切に保管ください。)
治療を開始するにあたって
医師またはスタッフによる十分な説明を受けたうえで、治療内容に同意いただいた場合に開始となります。ご不明点等ございましたらお気軽にご質問ください。