当クリニック、白内障手術の治療方針について
当クリニックの白内障手術のテーマは「安全第一」です!
手術を短時間で行うために安全性を少々犠牲にして手術を行う術者が稀にいます。院長は手術を受ける方にとって最も大切なことは手術でおこる大きな合併症を避けることだと考えています。
時に起こる予期せぬトラブルを回避すること、それでも起こってしまった場合様々な方法や特殊な器具・薬剤を用いてそのトラブルを最小限にする努力を行っています。
そのため院長は積極的に学会に参加して最新の白内障手術に関する知識や手技、最新機器を取り入れています。
以前、白内障・緑内障・硝子体手術は入院で行っていましたが、手技や技術の進歩とともに身体的な負担が減り一部を除き日帰り手術で十分可能となっています(アメリカでは眼科の手術はほぼ全例日帰りです)。
白内障手術の適応はドクターによっても少し異なることがありますが、院長は患者様が希望されない限り比較的手術適応を遅く考えています。ただし、自覚症状がなくても急性緑内障を発症する恐れが高い場合や、これ以上待つと手術の難易度が上がる場合などには積極的に手術を勧めることもあります。
院長の手術に対するスタンスは「必要のない白内障手術は勧めないし、したくない。必要があれば必要性を説明して、患者様が望めば手術をする。無理強いはしませんが手術をしたくない場合は、その後いざ手術をするとなると難しくてトラブルが起こりやすくなることを納得していただく。」というものです。
ご自分が手術に納得出来た時が手術を受けるタイミングです。
白内障手術を受けた方の感想
白内障手術に対して医師やスタッフが絶えず努力や工夫を行っていても医学という分野の性質上、全員が100%の満足を得られるということは残念ながら難しいのが現状です。
どのくらい見えるようになるかは眼科医であっても「やってみないとわからない」部分が存在します。
手術前の説明で皆さんにお話していることですが、白内障手術で「非常によくなった」と感じる方もいれば、「あまり変わらなかった」と感じる方もいらっしゃる個人差の大きい手術なのです。
- 以下の文章は当クリニックで白内障手術を受けた方のコメントです。
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- 手術ということでとても怖かったが痛くなかったし、みなさんとてもやさしくして頂き安心しました。眼の方もとてもよく見えて嬉しいです。(72歳女性)
- 手術時間が早かったため助かりました。(70歳女性)
- 手術後とても良く見えるようになりました。物が明るく景色等も美しく見えるようになり喜んでいます。ありがとうございました。(67歳女性)
- もっと早くしとけば良かったと…今不自由なく生活しています。(76歳女性)
- 日帰りが出来るので助かります。(86歳男性)
これまで当クリニックで行った白内障手術では、重篤な合併症である細菌性眼内炎で硝子体手術を必要とした症例は0例です。
もちろん今後、発症する可能性は否定出来ないため可能な限り感染症を発生させない工夫を学会等で学び、最新の白内障手術に関する知識や手技を取り入れています。
眼内レンズについて
ライフスタイルによって眼内レンズを決定します。
保険診療で行う白内障手術
保険診療で行う白内障手術で使用されます。焦点が遠方か近方のどちらか一方を選択、術後基本的に眼鏡によってピントの合わないところを補う必要があります。角膜の乱視の状況に応じて乱視矯正を伴う眼内レンズを用いたり、近方は眼鏡がいるものの遠方と中間までピントの合う多焦点レンズを用いることもあります。
自費診療を伴う白内障手術
眼鏡を使用する頻度をなるべく減らしたい方は多焦点眼内レンズを検討します。選定療養の対象となる眼内レンズは保険診療による自費負担金に追加費用が別途必要です。選定療養の対象外のレンズは全額自費となります養の対象外のレンズは全額自費となります。
クラレオン パンオプティクス |
テクニスシナジー | クラレオン ビビティ |
ファインビジョン | インテンシティ | |
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焦点 | 3焦点 | 連続焦点型 | 連続焦点型 | 3焦点 | 5焦点 |
選定療養 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
グレア・ ハロー |
ややあり | あり | ほぼなし | やや少ない | あり |
乱視対応 | 〇 | 〇 | ✕ | △ | 〇 |
焦点距離 | 遠・中・近 (∞・60cm・40cm) |
遠~近 (∞~35cm) |
遠~中(∞~60cm) | 遠・中・近 (∞・75cm・35cm) |
(∞・133cm・80cm・60cm・40cm) |
注意事項
- 夜間の運転の多いタクシー運転手、トラック運転手(ハロー・グレア現象によるまぶしさや光のにじみのため)
- 眼鏡を100%外す期待をする方(細かい字や距離によって眼鏡が必要になることがあります)
- 神経質な方(グレア・ハロー現象やコントラスト感度の低下等自分の思っていた見え方と違っていても受容出来ない場合があります)
- デザイナー、写真家、色彩に関わる職業の方、近見作業時に細かい作業が必要な方(軽いコントラスト感度低下が受容出来ない場合があります)
- 元来近視で、裸眼で手元を見ている方(多焦点眼内レンズによる手元の見え方が術前より劣る場合があるため)
当クリニックの白内障手術における医療機器
VerifEye Lynk(ALCON社)
ORAシステム
ORAシステムは、手術中リアルタイムの屈折測定が可能です。
球面度数、円柱度数、乱視軸の情報を提供し角膜前後面の乱視を把握することが出来ます。これは手術中の眼内レンズの選択や固定位置を最終決定するために役立ち、術後乱視が残るリスクを低減します。
手術中サージカルガイダンスを用いることや、術前データに加え手術中の屈折状態を計測し、AIが世界中から集められたデータを元に最適な眼内レンズ度数を提案するため、精度の向上が期待出来るのです。
ARGOS(ALCON社)
ARGOSは高度なSS-OCT技術を有し、白内障手術前に行われる眼軸長測定検査をより高い精度で行うことができます。
水晶体の白濁が進んだ白内障グレード4以上において、他社製品と比較して眼軸長データ取得率が高く、また、角膜頂点から網膜を4つのセグメントに分け、それぞれの屈折率から各組織の長さを算出し、それを合算する独自のセグメント方式を採用することで、より精度の高い軸長データの計測が可能です。
OA-2000
光学式眼軸長測定装置OA-2000は、白内障手術に必要な眼軸長(眼の長さ)や角膜(黒目)の形などの測定を眼に触れることなく短時間で測定する最新の白内障手術検査装置です。
従来の検査装置では測定が困難であった強い水晶体混濁のある眼においても、混濁部位を避けて計測する新技術により測定率が大幅に向上され、適切な眼内レンズ度数を計算する機能が搭載されています。
当クリニックはOA-2000、ARGOS(ALCON社)など光学式眼軸長測定装置を3機種使用して、より正確な眼軸測定を行っています。
CENTURION® ACTIVE SENTRY® ハンドピース(ALCON社)
眼灌流圧センサーをハンドピースに内蔵した装置です。白内障手術中に、ハンドピースに内蔵されたセンサーで眼圧の変動をいち早く検知し、微細に補正することで一定の眼内圧を維持します。
従来のシステムと比較して眼内圧をより安全で安定した状態で維持し、コントロール性の高い白内障手術が可能になりました。
後嚢破損(眼内レンズを支える水晶体の後面の膜が傷ついたり、破れたりすること)や合併症などの術後結果に影響を及ぼすようなリスクを軽減出来ます。